ゆうの読書記録

しがない大学生のゆうがゆるゆる読書記録をつけるブログです

教養主義の没落

教養主義の没落(中公新書) 竹内洋

 

https://www.amazon.co.jp/教養主義の没落―変わりゆくエリート学生文化-中公新書-竹内-洋/dp/4121017048

 

またもや軽く読み始めたものが先に終わってしまった。

 

教養という言葉は現代の若者が失ったとされているもののうちの一つだと私は認識しているけれども、総合雑誌を読む帝国大学生が3割ほどいたという資料を見て、現代との時代に愕然とした。別に教養主義をたたえている訳ではない。むしろ若干教養偏重な自分の考え方を見直すきっかけを与えてくれた。しかしやはり古典を読み、自分なりに解釈したり自分の価値観に新たな観点を加えることは学生時代に取り組むべき行為だと思う。

 

この教養主義が没落した背景として、よく言われるマルクス主義の台頭の他に、企業が大卒一括採用を行うようになったことでエリートとしての大卒の価値が揺らいだといったことが書かれていた。これはとても腑に落ちた。自分では教養は大事だと思っているけれども現代の大学生はインターンに勤しまなければ就職もおぼつかなく嗜みとしての読書にかけられる時間はそれほど多くはない。一昔前の大学生はそんな中うまく時間のやりくりをしていたのだろうかと疑問に思っていたからだ。(単に自分の知識不足という気もする)

 

その他にも文理の意識差と階層差の関連など面白い記述はあったが、まあそこそこまとめられたのでこの辺で。